報告書

分権時代の地方財政

分権時代の地方財政


A5判 253p
定価1100円(本体価格1000円+税10%)

本報告書では、「三位一体改革」の趣旨に触れるとともに、都市自治体が今日抱えている財政面から見た都市経営の実情及び諸外国の地方財政制度を参考として、これから求められる都市財政の方向性などについて取りまとめました。

三位一体改革の構図、経緯、論点及び現状分析に基づく、法人税優遇の見直し、社会保険料の引上げ、個人所得税の累進化などの提示と住民の財政責任の必要性などを紹介しています。
地方財政計画における投資的経費(単独)の決算との乖離問題として、新規投資から維持管理、ハードからソフトという観点で基準財政需要額を改革する必要性、第二期三位一体改革は中期地方財政ビジョンと一体的に考える必要性などに言及しています。
秋田市においては、扶助費増加と投資的経費が減少する中で、地域施設について維持管理から運営まで地域に任せる都市内分権と市民協働による施策を実施しています。
市川市においては、電子自治体への取組とともに高齢者向け地域ケアや子育て支援などの市民活動団体支援制度を実施しています。
フランスにおける、政治システムに対する地方参加の定着と行政システムにおける中央の決定に対する地方の参加の制度化などを紹介しています。
欧米の自治体では、金融機関から行政財産を担保に資金を調達し、戦略的投資を進め地域経済ポテンシャルを高める施策を実施しています。
スウェーデンにおける、ランスティング(中域自治体)とコミューン(基礎的自治体)の財政力格差に対する財政調整の種類、これまでの調整施策の流れ及び最近の改革内容などを紹介しています。
米国ニューヨーク州における政府間財政関係、同州内のホワイトブレーンズ市とイサカ市の自己決定・自己責任による財政運営などを紹介しています。

本報告書は、研究者や実務者からの広範多岐にわたる報告を取りまとめた内容となっています。

序 調査研究目的・経緯と報告書の構成・概要

第1部 分権時代の地方財政

第1章 分権時代の地方財政制度 ―三位一体改革の経緯を踏まえて―
横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科教授 金澤 史男

第2章 地方分権と交付税の課題:財政再建の観点から
一橋大学経済学研究科助教授 佐藤 主光

第3章 市町村における一般財源の機能分析
高知大学人文学部教授 平岡 和久

第4章 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005
総務省自治財政局財政課長 佐藤 文俊

第2部 わが国における都市経営の実情

第5章 分権時代の都市経営と財政運営 ―秋田市の都市内地域分権と市民協働など―
秋田市長 佐竹 敬久

第6章 分権時代の都市経営と財政運営 ―市川市の市民活動団体支援制度など―
市川市長 千葉 光行

第3部 諸外国における地方財政制度

第7章 フランスの地方分権・税財政からわが国の経済・財政思想を考える
神奈川大学経営学部教授 青木 宗明

第8章 地方分権型社会とStrategic Public Finance
法政大学経済学部教授 黒川 和美

第9章 スウェーデンにおける地方財政
慶應義塾大学経済学部教授 飯野靖四

第10章 米国ニューヨーク州における政府間財政関係と都市財政の動向
日本大学経済学部助教授 沼尾 波子

 

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