報告書

児童相談行政における業務と専門性―みんなで支える子どもと命―(ブックレット25)

児童相談行政における業務と専門性―みんなで支える子どもと命―(ブックレット25)


A5判 125p
定価550円(本体価格500円+税10%)

 

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児童虐待相談件数の急増や子育て相談ニーズの高まりを背景として、2004年の児童福祉法改正により、児童家庭相談に応じることが市区町村の業務として法律上明確化され、住民に身近な市区町村においても子どもに関する様々な問題に対処することが要請されている。つまり、児童虐待相談や子育て相談は、児童相談所をもつ都道府県と大都市だけの問題ではなく、すべての都市自治体が直面している問題といえる。
このブックレットは、「専門性実証検討会」(座長 藤田由紀子専修大学准教授(当時))において2010年度に実施された児童相談行政に関する調査研究の成果を取りまとめたものであり、次のように構成されている。
第一に、都市自治体の相談体制を拡充し、児童相談所との協力関係を推進する手掛かりを提供するため、児童相談行政の歴史と業務(第1部第1章)、児童相談の実施体制と人材育成を論じた(同第3章)。
第二に、地域に密着した都市自治体が関係機関(福祉事務所、小中学校、保育所、保健所、病院、警察等)や地域社会との連携を強化し、社会が一丸となって児童虐待問題に取り組むための方策を述べた(第1部第2章)。
第三に、基礎自治体としての強みを児童相談行政に生かした事例として、児童相談所の必置義務がないにもかかわらず、市長部局と教育委員会が共同で児童相談所を運営している金沢市など、四つの都市の取組みを報告した(第2部各章)。
主たる読者として行政実務家を想定していることから、実務の現場で役に立つ情報をできるだけ多く盛り込んだつもりである。
虐待を早期に発見して子どもを親から保護することは、現下の状況では最も力を入れるべき取組みであるが、虐待が真の意味で無い地域となること、さらに子どもたちの未来を考えると、コミュニティを再生させて「人と人のつながり」を甦らせることが何より重要であろう。そのためには、住民サービスを総合的・一体的に展開できる都市自治体の役割が一層重要となり、今後は地域とともに取り組むことが求められるであろう。

第1部 都市における児童相談行政のあり方

第1章 児童相談行政の歴史と業務
(専修大学法学部准教授 藤田由紀子)
第2章 児童相談行政における関係機関とのネットワーク構築
(東京大学先端科学技術研究センター客員研究員 手塚 洋輔)
第3章 児童相談の実施体制と人材育成
(日本女子大学人間社会学部准教授 村上 祐介)

第2部 事例研究

第1章 横浜市中央児童相談所
((財)日本都市センター研究員 鈴木 潔)
第2章 さいたま市児童相談所
((財)日本都市センター研究員 鈴木 潔)
第3章 静岡市児童相談所
((財)日本都市センター研究員 鈴木 潔)
第4章 金沢市児童相談所
((財)日本都市センター研究員 鈴木 潔)

 

 

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