第8回都市調査研究グランプリ 受賞者の声
第8回都市調査研究グランプリ 受賞者の声
最優秀賞・豊島区
このたびは、第8回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)において、最優秀賞という大変栄誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。
豊島区には、狭い道路、なかなか建て変えられない老朽家屋などが密集している防災上危険な木造密集地域が広範に存在しています。なかでも、現状では建築基準法の接道要件を満たさないため建て替えできない502区画もの無接道宅地が、木密地域に集中しています。今回グランプリをいただいた「住民の自力更新が困難な無接道宅地の解消に向けた調査研究~豊島区不燃化特区を事例として~」は、豊島区の不燃化特区における無接道宅地の現状を把握し、その解消へ向けた具体的提案を行うことを目的としました。
本調査研究では、①これまで全容が把握できていなかった区内の無接道宅地について、GISを用いて「見える化」と「データベース化」を行ったこと、②データベースを用いて無接道宅地解消後の不燃領域率や資産価値を試算することにより、「解消策のシミュレーション」を行ったこと、③その結果、無接道宅地に建替え更新への道を開くことが、危険なところほど建替えが進まないという矛盾を解消するだけでなく、地区全体の安全性を向上させ、ひいては地域に新たな価値を生み出すきっかけになり得るという結論を得たことに、特徴があります。
今回の受賞は、木密地域の安全性向上という、息の長いテーマに対し力強いエールを送っていただいたと感じており、このことを励みにしてより一層、地域の発展を目指していきたいと考えています。
本調査研究に際しご協力いただいた皆様に御礼申し上げるとともに、今後とも皆様のご指導をよろしくお願いいたします。(豊島区建築課)
職員自主調査研究部門 優秀賞・宇都宮市 初貝 未来
このたびは、第8回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)の優秀賞という名誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。
この度、宇都宮市が実施した研究は、高齢者が主体となった介護予防活動を、身近な地域で継続していく為の「効果的な支援方法」について研究したものです。本研究はアンケートや聞き取り調査を通じて、介護予防活動に参加する高齢者とその高齢者を支援する地域包括支援センターの職員の両面から検討を進めることができました。研究の結果、自主グループの活動を継続していくため、より効果的な新規参加者の勧奨が必要であること、グループのリーダーの責任が分散されるような関わり方などについて見直す必要があることがわかりました。そして、研究で得られた結果をもとに、全域を対象とした自主グループ交流会の開催及び「自主グループ活動紹介冊子」の作成・配布などにより、介護予防活動グループへの支援の充実を図ることができました。
本市でも本研究成果を活かして各種調査の改善に取り組んでまいりますので、皆様の御指導をよろしくお願い申し上げます。今回の研究成果が、各自治体の皆様に、少しでも役立てていただけましたら幸いです。
<研究報告書>
※以下のURLにて研究報告書を公表しています(宇都宮市HPへのリンク)
職員自主調査研究部門 優秀賞・松戸市 小林 清
この度は、都市調査研究グランプリ職員自主調査部門におきまして、優秀賞という名誉ある賞を頂きまして、誠にありがとうございます。
本研究は、各自治体で行われている少子高齢化に伴う人口の減少に対する取組みのひとつである「三世代共助の住宅支援」についての効果的な制度設計と方向性について検証を行ったものです。
この研究の特徴は、すでに事業を実施しており、政策提案に向けた、調査や課題の検討ではなく、実施した政策の検証であるということです。
検証は、補助実施前と実施後の二回に分けてアンケート調査を行い、共助関係の成立による効果を「子育て支援」「働き方」「高齢者の見守り」などの観点からと、補助金による定住に向けたインセンティブの度合いをその属性により分析する観点の大きく2つに分けて検証しています。
本研究におきましては、特に共助関係の成立要件についての考え方が難しく、ご指導を頂きました方々に御礼申し上げますとともに、この実証による調査結果が、同じような政策を検討する自治体の参考となれば幸いです。
三世代の共助関係につきましては、長い時間軸による検証も必要となりますことから、今後ともご指導をお願いするものでございます。
自治体実施調査研究部門 奨励賞・郡山市
この度は、都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)奨励賞という名誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。関係者一同喜んでおります。
郡山市では、平成27年度に実施した「業務カイゼンのための現況把握調査」を基に,全庁で共通する業務のうち、相対的に業務量が多い業務をターゲットに、その効果的な業務量の削減手法をまとめた「郡山市STANDARD~ワークライフバランスのためにみんなの声をカタチにしました~」を平成29年3月に策定しました。
「郡山市STANDARD」を策定してから約1年が経過し、会議の冒頭あいさつの省略や文書開催手法の活用など波及効果を感じています。今後,可視化されたカイゼンポイントは、随時反映させ、各所属提案の「+α」も吸い上げて、さらなるバージョンアップもしていきたいと考えています。
また、「郡山市STANDARD」の浸透による全庁共通業務の効率化が契機となり、各種施策のより一層の推進に加え、1年間の職員1人あたりの勤務時間となる1,883.25時間が効率的に使われるよう一人ひとりの働き方に対する意識改革につながることを期待しています。
今後も、この賞を励みに、市政の発展のため、さまざまな課題解決に取り組んでまいりますので、情報共有やご指導の程よろしくお願いいたします。
最後に、応募から授賞式に至るまで親切にご対応いただきました日本都市センター様に感謝申し上げます。当グランプリの益々の発展を祈念して、結びとさせていただきます。