都市調査研究グランプリ

第12回都市調査研究グランプリ 受賞者の声

最優秀賞:豊中市都市経営部とよなか都市創造研究所

この度は、第12回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)の最優秀賞という大変名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。本調査研究を進めるにあたり、アンケートやインタビューにご協力くださった市民のみなさま方、ご指導・ご支援を賜りましたすべてのみなさまに心より感謝申し上げます。

とよなか都市創造研究所は、豊中市の自治体シンクタンクとして、市の持続的な発展と計画的な市政の推進に資することを目的に、中長期的な視点に立った都市政策に関する調査及び研究を行っています。

本調査研究は、生活リスクを抱えやすいとされる単身世帯(ひとり暮らしの世帯)の生活実態を明らかにし、基礎自治体として求められる取り組みを検討するための、基礎資料の整理を目的に行われました。特に注目したのは30~50歳代の壮年期です。調査では、壮年期の単身世帯の生活リスクは相対的に高いこと、しかし単身世帯の中での格差も大きいこと、親と同居する未婚者など「潜在的単身世帯」の生活リスクも相対的に高いこと、親の介護などが壮年期の単身世帯の生活リスクを高めるきっかけになりやすいことなどが浮き彫りとなりました。

高齢ではなく、子どもがいない場合が多い壮年期の単身世帯は、従来の行政の取り組みのなかでは見えにくく、つながりにくい存在です。本調査研究が、豊中市だけでなく各自治体のみなさまの参考になりましたら幸いです。

<研究報告書>豊中市の単身世帯の生活に関する調査研究
※次のURLより全文ダウンロードできます。(とよなか都市創造研究所ウェブサイトにリンク)
http://www.tium-toyonaka-osaka.jp/publication/report.html

優秀賞(政策基礎部門):盛岡市まちづくり研究所                    

この度は、第12回都市調査研究グランプリの優秀賞という大変名誉ある賞を頂き、誠にありがとうございます。 
今回の受賞は、盛岡をはじめとする様々な地域の農業者の方々、食や流通、暮らしを通じて地域の農や文化に携わる方々との出会いと御協力に恵まれたことにより得られた成果だと感じております。
改めて、多大なる御協力を頂いた方々に深く感謝申し上げます。
 盛岡市では、平成20年度に岩手県立大学と共同で「盛岡市まちづくり研究所」を創設し、緊急度・優先度の高い市政課題の調査研究に取り組んでおります。
 本調査研究は、令和元年度の研究テーマとして選定され、2年間取り組んでまいりました。
盛岡の地域特性である「農村と都市が近距離で混在する街」に着目し、先進自治体への視察等の調査研究を通じ、農業や農村を支えることで社会全体の何が守られるのか、特に地域政策としての農業という視点から考察を行いました。
調査研究を通じ得られた「盛岡の農業・農村の多面的機能の整理と周知」、「都市と農村をつなぐ「小さな拠点」の必要性」という2つの提言は、持続可能なまち盛岡の実現のため、農業が農業政策と地域政策の両輪で都市と関わっていくために重要だと考えております。
本調査研究が各自治体の皆様の参考になりましたら幸いです。
今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

<研究報告書>盛岡の農業の現状と課題解決に向けた施策について~新しい力で盛岡の未来を拓く~
※次のURLより全文ダウンロードできます。(盛岡市公式HPにリンク)
https://www.city.morioka.iwate.jp/shisei/machizukuri/thinktank/1009675.html

優秀賞(政策基礎部門):三浦 魁斗(うつのみや市政研究センター(宇都宮市))

この度は、第12回都市調査研究グランプリにおいて優秀賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。本研究を進めるにあたり、ヒアリングやアンケート調査へのご参加など、ご協力を賜ったすべての皆様に感謝を申し上げます。

本研究は、建築文化の継承や資源循環の促進といった側面から、近年、光が当てられている建築・土木資材の「再利用」に焦点を当て、宇都宮市の地場産材である「大谷石」を対象に、アンケート調査の分析によって、再利用の実態と意向を解明し、再利用方策を考察することを目的としています。

研究の結果と先進事例(兵庫県神戸市「石の銀行」)の視察をもとに、地方自治体を紐帯として、石材業者だけでなく造園業者や建設業者も包摂した、再利用を促すための組織体制を提案しました。また、大谷石の再利用「経験」の有無と再利用「意向」の大小の二軸により大別された地域住民に対して、「需要喚起」と「供給確保」の両面から効果的な支援策を提案しました。

地域の歴史や文化に根差したまちづくりを展開するうえでは、地場産材を用いた建造物の「保全・利活用」を検討するだけでなく、地場産材を「再利用」する取組も重要であると考えます。本研究の成果が、多くの自治体の皆様の参考になりますと幸いです。

<研究報告書>実態と意向の調査にもとづく大谷石の再利用方策に関する調査研究
※以下のURLにて研究報告書を公開しています(宇都宮市ウェブサイトへのリンク)
https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/009/231/r2-8miura.pdf

奨励賞(政策応用部門):かすかべ未来研究所              

この度は、第12回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)の政策応用部門において、奨励賞を頂き、誠にありがとうございます。
春日部市では、多様化・高度化する市民ニーズ、厳しい財政状況と地方分権が進展する中で、「政策の最適化」を行い、市民福祉の向上を図っていくことを目的として、平成23年に自治体シンクタンク「かすかべ未来研究所」を設置いたしました。
本研究では、近年、様々な分野で利活用が広がるものの、自治体においては本格的な活用事例が少ない人工知能(AI)やICT、RPA(以下「AI等」といいます。)について、本市の業務課題等を整理するとともに、AI等の効果的な活用方法やAI等を活用した行政サービスの提供の可能性について調査研究を行ったものです。厳しい財政状況や限られた職員数の中、行政課題は多様化・複雑化しており、行政においては人的・経済的な制約のもと、多様で複雑な市民のニーズを的確に捉え、最適なサービスを創造・提供することが強く求められています。そして、その解決策の一つとして、「Society5.0」に掲げられるAI等の活用・導入が自治体においても進められています。そこで、まずは現在の業務課題の抽出とAI等の導入に対する職員の意識を調査の上で、事務作業の効率化・業務の質の維持・市民サービスの向上を目的として、AI等の導入にかかる具体的提案を行いました。
AI 等によって、職員・庁内がつながり、また、市民と行政がつながることで、市民の期待に応え、信頼される行政を実現することが重要だと考えております。本調査研究が少しでも各自治体の皆様のお役に立てましたら幸いです。

<研究報告書>「AI等の活用に関する調査研究 ~「市民の期待に応え、信頼される行政を推進するまち」を目指すために~」
※次のURLより全文ダウンロードできます。(春日部市公式HPにリンク)
https://www.city.kasukabe.lg.jp/shiseijoho/kasukabemiraikenkyusho/nendonojigyo/8664.html

奨励賞(政策応用部門):鎌倉市 共生共創部 政策創造課                    

この度は、都市調査研究グランプリにおいて、「奨励賞」という栄えある賞をいただき、心から感謝申し上げます。
政策創造課は、中長期的な社会課題に対し研究し、政策立案・課題解決を実践する庁内シンクタンクを担う部署で、特に本市の基本計画の柱にもなっている産官学民の様々なステークホルダーと「共に考え、共に創る=共創」の活動を推進しており、市民との共創や官民連携、リビングラボといった取組に力を入れています。
今回賞をいただきました「定性的データを活用した質的調査による政策形成研究~市民インタビューの解析を通じた政策立案の可能性に向けて~」については、市民との共創の活動の中でよく耳にする、市民からの「意見・苦情・提案」等をどのように政策に反映させることができるかという課題が出発点となっています。
政策形成におけるEBPMとして、これまで無作為抽出のアンケートによる市民意識調査やパブリックコメント等により根拠となるデータを集めていますが、これらの手法は寄せられる意見や回答の属性に偏りが発生し、市民の声なき声(ニーズ)を聞き出すことが難しいという課題があります。
この課題を解決する手法の一つとして、この度自治体として先例がない質的調査を研究テーマとし、活用において有用である結果を導き出すことができたと考えています。
政策形成におけるEBPMの重要性が全国的に叫ばれている中、本市だけでなく、全国の自治体での市民の声を反映させた政策形成に少しでもお役立ていただければ幸いです。
これからも社会課題の解決に向けて、調査研究に取り組んでまいりますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

<研究報告書>
定性的データを活用した質的調査による政策形成研究 ~市民インタビューの解析を通じた政策立案の可能性に向けて~
※次のURLより全文ダウンロードできます。(鎌倉市公式HPにリンク)
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/seisaku-souzou/report-r3.html

特別賞:熊本市都市政策研究所

 この度は、第12回都市調査研究グランプリにおいて特別賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。本研究を進めるにあたり、ヒアリングや資料提供など、ご協力を賜りましたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
 熊本市都市政策研究所では、平成24年10月の開設以来、「熊本市の地域認識と歴史認識の共有化に資する研究」として、地図や計画図等を掘り起こし、その時代背景や計画等の調査、整理に取り組んできました。地域の特性や特色をよく知り都市政策の歴史を十分に認識しておくことが、これからの調査・政策研究においても、まちづくりを考えるうえでも重要であるからです。
 その研究成果として、平成26年度と平成28年度に「熊本都市形成史図集」の戦前編と戦後編を、令和2年度に「熊本都市計画史図集」を刊行し、これらの3部作をまとめて「熊本都市史図解-都市形成と都市計画-」としました。この3部作により、近世期から現代までの熊本の都市の変遷を、地図等の図面から俯瞰してみることができ、熊本らしさを知り、まちづくりのアイデアを探すバイブルとして有用なものができたと自負しております。
 このたびの受賞を励みとし、政策課題の解決に資する調査研究に取り組み、より一層の研鑽を積んでまいりたいと考えております。
本研究所の取組が、他都市の皆さまの参考になりましたら幸いです。今後とも、情報共有やご指導の程よろしくお願いいたします。

<研究報告書>
「熊本都市史図解-都市形成と都市計画-」 
※次のURLにて書籍の概要と販売方法をご案内しています。(熊本市公式HPにリンク)
https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=38149

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