報告書

自治体法務と自治基本条例 -地域からのルール設計-(ブックレット5)

自治体法務と自治基本条例 -地域からのルール設計-(ブックレット5)


A5版 107p
完売いたしました

 

本ブックレットは、『政策法務と自治基本条例-自治体は条例や制度をどのように考え、設計するべきか-』をテーマにして、(財)日本都市センターが全国の都市自治体関係者を対象にして企画・実施した、第3回都市経営セミナー(平成13年7月2日実施)での基調講演、事例報告とパネルディスカッションの内容を取りまとめたものである。

 

地方分権改革が実施・具体化の段階に入り、「自治体法務」、「政策法務」といった、自治体の政策をルール化するための政策思考とその立法技術に対する関心が全国の自治体において高まっている。国の「国家法務」や民間企業の「経営法務」と同様に、より自立した「自治体法務」というコンセプトの構築が強く要請されているものといえよう。

 

当センターにおいても、このような時代状況を踏まえつつ、『分権型社会の都市行政と組織改革(第4次市役所事務機構研究委員会最終報告書)』(平成11年3月刊)において、分権時代における条例制定等自治立法のあり方を探った。さらに、当センター内に、研究者及び自治体職員より構成される「自治体法務研究委員会」(座長鈴木庸夫千葉大学教授)を設置し、研究会と当センタースタッフによる自治体法務に関する研究活動を3ヵ年にわたって実施した。研究内容としては、自治体法務の前提としての人間像・地域像の把握、新しい時代における自治体の政策をルール化するための考え方とその立法技術、自治体の法務体制等法務環境整備のあり方等に焦点をあてた。その成果は、『自治体法務と人間像』(平成11年3月刊)、及び『分権型社会における自治体法務-その視点と基本フレーム』(平成13年3月刊)の2冊の研究報告書として取りまとめたところであり、これらを全国の自治体等に積極的に公表・提供してきている。

 

今回の都市経営セミナーでは、それらの研究の成果を踏まえ、「政策法務」や「自治基本条例」をはじめとする「自治体法務」をテーマとして取り上げた。自治体法務の考え方や手法、さらには体制のあり方について様々な視点から議論をすることにより、今後、全国の自治体が政策づくりや制度づくりを進めるにあたって、法的な視点・枠組みを取り入れることの重要性についての認識を深める際の一助としてもらいたいというのが、当セミナーのねらいである。

 

本ブックレットが全国の自治体関係者はもとより、広く市民各位にも活用されることを期待いたしたい。

第1部 基調講演――自治体法務の課題と展望――

日本都市センター 自治体法務研究会座長
千葉大学法経学部教授 鈴木 庸夫

1.自治体法務・政策法務とは何か
2.企画法務はなぜ必要なのか
3.住民によるコミュニティ・ルールの形成
4.政策法務の今日的到達点としての「自治基本条例」

第2部 事例報告

1.まちづくり基本条例制定への道のり
ニセコ町企画環境課長 片山 健也
2.横須賀市における政策法務への取り組み
横須賀市総務部行政管理課主査 出石 稔

第3部 パネルディスカッション 政策・企画法務と自治基本条例

――自治体は条例や制度をどのように考え、設計するべきか――
1.自治体の法と政策
2.住民によるコミュニティ・ルールづくりと立法過程への住民参加
3.自治体法務のマネジメントの手法と課題-法務・財務・人事の対比から-
4.横須賀市における法務体制整備と市民憲章や新しい条例制定の動き-自治体トップ層の視点から-
5.分権改革と自治体の立法戦略-ローカル・ルールへの挑戦-
6.条例や制度をどのように考え、設計するべきか
7.会場との意見交換
8.まとめ-分権時代に、自治体に求めること

資料編

資料1 『分権型社会における自治体法務-その視点と基本フレーム』
【サマリー】
資料2 政策法務担当の設置状況について(平成13年4月1日現在)
資料3 ニセコ町まちづくり基本条例(平成12年12月27日/ニセコ町条例第45号)

 

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