基礎自治体の構造と再編 -欧米の経験と日本の展望-
基礎自治体の構造と再編 -欧米の経験と日本の展望-
A4判 128p
定価2200円(本体価格2000円+税10%)
本報告書では、地方分権改革や市町村合併の進展により、基礎自治体である市町村を取り巻く状況が大きく変わりつつある中で、今後の日本における基礎自治体のあり方を検討する上での参考とするために、諸外国の基礎自治体の制度や実態を取りまとめました。
・アメリカのミュニシパリティは住民の意思に基づき設置されるため、ある地域とない地域とがあります。また、ミュニシパリティはホームルールを定めることにより、政治制度や権限を自ら定めることができるので、政治制度や権限もミュニシパリティごとに異なります。
・イングランドの地方制度は、地域により一層制と二層制が混在しており、非常に多様です。地方圏の二層制の地域において基礎自治体に相当するのはディストリクトですが、平均人口は9万6千人と他国の基礎自治体に比べて非常に大規模です。
・ドイツでは、1960~70年代に、「新しい高度な行政需要に対応するための十分な執行能力を持った自治体」になるためにゲマインデの合併が進められましたが、合併は唯一の選択肢ではなく、小規模自治体同士の連携など、他の方法を選択することもできました。
・スウェーデンでは、1960~70年代に、公的社会サービスの供給能力のあるコミューンの建設を目的としてコミューン合併が行われましたが、その際の最低人口は8,000人とされ、現在の日本における「基礎自治体」に比べ、規模においても権限においても小さいものです。
このように、諸外国の基礎自治体は、規模、制度、権能等が国ごとに異なるのみならず、国内でも多様であることが珍しくありません。日本の基礎自治体の制度を検討するにあたっては、このような外国の基礎自治体の多様性を参考として、それぞれにふさわしいあり方や権能、連携方策等を工夫することが重要であるといえるでしょう。
総論 基礎自治体の構造と再編
第1部 日本の基礎自治体
第1章 基礎自治体をめぐる期待と課題
第2章 わが国における基礎自治体の法的位置付け
第2部 外国の基礎自治体
第1章 諸外国の基礎自治体の概要
第2章 アメリカの基礎自治体
第3章 ドイツの基礎自治体
第4章 イングランドの基礎自治体
第5章 スウェーデンの基礎自治体
資料編
資料1 日本の基礎自治体に関する資料
資料2 外国の基礎自治体に関する資料