2013年度以前の調査・研究

新しい時代の都市税制に関する調査研究2002

 

新しい時代の都市税制に関する調査研究

研究のテーマ

「分権時代の自治体税制 ― 課税自主権の活用と諸外国の動向」

1.調査研究の趣旨

第二次分権改革の焦点である地方税財源の充実確保に向けて、国から地方への税源移譲、自治体の自主課税権の活用等、地方税制や自治体の税務行政のあり方に対する関心が高まっている。 とりわけ、経済財政諮問会議の「骨太の方針・第2弾」(平成14年6月25日閣議決定)において「三位一体の改革」が掲げられたことにより、地方税の充実確保に向けて、税源移譲、地方交付税、補助金の改革方策が大きな議論となっている。

また、分権型社会に相応しい地方税制・税務行政を構築していく上で、法定地方税の充実とともに、法定外地方税や超過課税などの課税自主権の活用が重要となるが、地方自治体においても、法定外地方税の創設・検討の動きが全国的に活発になるなど、自主課税権の積極的な活用を図る動きがみられる。さらに、徴税体制の強化等、安定した税収確保に向けた取組みも行われている。 そこで、本年度は、分権型社会に相応しい地方税制や都市自治体の税務行政のあり方について、諸外国の都市税制や自治体の課税自主権の取組み等を踏まえながら検討する。

2.研究項目

<1>諸外国の都市税制の動向
わが国における分権型社会に相応しい地方税制のあり方を考える際の参考として、諸外国の都市税制を取りあげ、国と地方との税財源の配分のあり方や自治体の課税自主権の活用について検討する。

<2>自治体の課税自主権の活用と税収確保
1)法定外税の導入
分権改革の成果を活用して、法定外税の創設・検討の動きが全国的に活発になっている。もとより、主要な税源がすでに法律により配分されている現状では、新たな税源を見つけることは容易ではないし、また、法定外税だけで地方税の充実確保を図ることには限度がある。そうした中で、まちづくりや環境等の分野において、税収確保そのものよりも、政策誘導的な税を模索する動き等がみられる。こうした動きも踏まえつつ、法定外税の活用のあり方を探ることとしたい。
2)徴収体制の強化
厳しい財政状況のもと、自治体の自主税源の充実確保の観点から、徴収体制の強化を図る必要が高まっている。そうした中で、悪質な税の滞納者に対し、行政サービスの制限・停止、氏名等の公表等を制度化する自治体や、他の自治体と協働で滞納整理に取り組む自治体が出てきている。そこで、自治体の税収確保対策、徴収事務体制の課題と今後のあり方を検討する。

3.研究成果の公表

「分権時代の自治体税制 ~諸外国の都市税制の動向と自治体の税収確保~

4.研究の体制(都市税財政研究会)

委員長 宇田川璋仁 千葉商科大学客員教授
副委員長 黒川 和美 法政大学経済学部教授
西野 萬里 明治大学商学部教授
委員 飯野 靖四 慶応義塾大学経済学部教授
一河 秀洋 那須大学教授
井堀 利宏 内閣府経済社会総合研究所総合政策研究官
大村 達弥 慶応義塾大学経済学部教授
加藤 三郎 東京大学名誉教授
金井 利之 東京大学大学院法学政治学研究科助教授
金子  宏 東京大学名誉教授
金子  勝 慶應義塾大学経済学部教授
喜多  登 東京国際大学大学院経済学研究科講師
工藤 裕子 早稲田大学教育学部専任講師
神野 直彦 東京大学大学院経済学研究科教授
高山 憲之 一橋大学経済研究所教授
竹内 一樹 長野経済短期大学学長
田中 一行 明海大学不動産学部教授
田村 紀之 二松学舎大学国際政治経済学部教授
辻  琢也 政策研究大学院大学助教授
中里  実 東京大学大学院法学政治学研究科教授
野呂 昭朗 東邦学園大学経営学部教授
林  正壽 早稲田大学社会科学部教授
原田 博夫 専修大学経済学部教授
肥後 和夫 成蹊大学・明海大学名誉教授
廣瀬 克哉 法政大学法学部教授
深谷 昌弘 慶応義塾大学総合政策学部教授
星野  泉 明治大学政治経済学部助教授
水野 忠恒 一橋大学大学院法学研究科教授
武藤 博己 法政大学法学部教授
望月 正光 関東学院大学経済学部教授
横田 信武 早稲田大学商学部教授
横山  彰 中央大学総合政策学部教授
吉田  浩 東北大学大学院経済学研究科助教授
和田 八束 関東学院大学経済学部教授
林  省吾 総務省自治財政局長
瀧野 欣彌 総務省自治税務局長
木村  功 総務大臣官房審議官
小室 裕一 総務大臣官房審議官
石田 直裕 総務大臣官房審議官
河野  栄 総務大臣官房審議官
岡崎 浩巳 総務省自治財政局財政課長
専門委員 藤田 幸雄 (社)日本農業集落排水協会理事・自治大学校講師
池貝 清治 千葉市財政局税務部参事
遠藤 元宏 八王子市税務部次長兼納税課長
辻  弘昭 横浜市財政局主税部長
龍崎 和人 横須賀市財政部副部長

(敬称略、委員は50音順、所属・役職等は2003年7月末現在)

 

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