2013年度以前の調査・研究

新しい時代の都市財政に関する調査研究2003

 

新しい時代の都市財政に関する調査研究

研究のテーマ

「高齢者福祉と自治体財政-高齢者福祉における都市自治体の役割と民間部門との連携・協力のあり方」

1.研究の趣旨

日本の高齢化率は、18.9%(2003年4月1日現在)に達し、欧米諸国に比べて急速に上昇しており、これに対する対策を速やかに取ることが求められる。

このような中で、従前からの国民健康保険や各種の福祉サービスの提供に加えて、2000年4月から始まった介護保険制度により、基礎自治体である市区町村が住民の福祉の増進に対して果たすべき役割は一層大きくなっている。

また、高齢化の進展に伴い、各地でNPOやボランティア団体による福祉活動が活発に行われるようになってきている。これらの中には、介護保険の事業者として認定を受けているものもあるが、それ以外にも、様々な福祉サービスを提供している。

諸外国においても、各国ともそれぞれ異なる体制にある中で、民間部門の役割は共通して大きくなっており、それに応じて、政府部門、とりわけ基礎自治体の役割が変化していることが認められる。

そこで、本年度の都市税財政研究会においては、「高齢者福祉と自治体財政-高齢者福祉における都市自治体の役割と民間部門との連携・協力のあり方」をテーマとして、厳しい財政状況にある中で、今後さらに需要が増大するものと見込まれる高齢者福祉サービスを充実させていくために都市自治体はどのような役割を果たすべきか、またその際にボランティア・NPO等とどのように連携を図っていくべきかについて、諸外国の事例と日本国内の自治体の事例をもとに、検討することとしたい。

2.研究項目

<1>諸外国との比較
諸外国における都市自治体の高齢者福祉政策の現状について、とくに財政面からの比較を行う。
【視点】
・高齢者福祉制度の枠組みがどうなっているかを財政面から把握する。
・「福祉国家の揺らぎ」、「福祉国家から福祉社会へ」といわれる中で、欧米諸国において、政府部門(とりわけ基礎自治体)の役割がどのように変わったか。
・高齢者福祉サービスの提供におけるNPO、ボランタリーセクターの役割はどのようなものか。

<2>日本の自治体における取り組み
日本の都市自治体の高齢者福祉政策について、財政面からの検討を行う。
【視点】
・都市自治体が提供している高齢者福祉サービス全体を財政面から把握する。
・導入後3年を経過した介護保険制度が都市自治体の財政にどのような影響を及ぼしたか。
・NPO、ボランティアグループにより、どのような介護・福祉サービスが提供されているか。それに対し、都市自治体がどのような支援策を講じているか。

3.研究の体制(都市税財政研究会)

委員長 宇田川璋仁 千葉商科大学客員教授
副委員長 黒川 和美 法政大学経済学部教授
西野 万里 明治大学商学部教授
委員 飯野 靖四 慶応義塾大学経済学部教授
井堀 利宏 東京大学大学院経済学研究科教授
大村 達弥 慶応義塾大学経済学部教授
加藤 三郎 東京大学名誉教授
金井 利之 東京大学大学院法学政治学研究科助教授
金子  勝 慶應義塾大学経済学部教授
工藤 裕子 早稲田大学教育学部助教授
神野 直彦 東京大学大学院経済学研究科教授
高山 憲之 一橋大学経済研究所教授
竹内 一樹 長野経済短期大学学長
田中 一行 明海大学不動産学部教授
田村 紀之 二松学舎大学国際政治経済学部教授
辻  琢也 政策研究大学院大学助教授授
能勢 邦之 米国ベラー大学客員教授
野呂 昭朗 東邦学園大学経営学部教授
林  正寿 早稲田大学社会科学部教授
原田 博夫 専修大学経済学部教授
肥後 和夫 成蹊大学・明海大学名誉教授
廣瀬 克哉 法政大学法学部教授
深谷 昌弘 慶応義塾大学総合政策学部教授
星野  泉 明治大学政治経済学部助教授
水野 忠恒 一橋大学大学院法学研究科教授
武藤 博己 法政大学法学部教授
望月 正光 関東学院大学経済学部教授
横田 信武 早稲田大学商学部教授
横山  彰 中央大学総合政策学部教授
吉田  浩 東北大学大学院経済学研究科助教授
和田 八束 関東学院大学経済学部教授
林  省吾 総務省自治財政局長
板倉 敏和 総務省自治税務局長
岡本 保 総務省大臣官房審議官
小室 裕一 総務省大臣官房審議官
原田 正司 総務省大臣官房審議官
椎川 忍 総務省自治財政局財政課長
岡崎 浩巳 総務省自治税政局企画課長
専門委員 藤田 幸雄 自治大学校・早稲田大学政治経済学部講師
寺門 利治 千葉市財政局財政部参事
下田 豊 八王子市財務部長
柏崎 誠 横浜市財政局財政部長
小林  繁 横須賀市財政部財政課長

(敬称略、委員は50音順、2003年7月31日現在)

 

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