2013年度以前の調査・研究

自治体組織の多様化に関する調査研究2003

 

自治体組織の多様化に関する調査研究
―日本への理事会制度、市支配人制度等の新たな導入に向けて―

1.調査研究の趣旨

本調査研究は、有効かつ効率的な自治体運営の更なる向上を図るという観点から、公選首長と議会の関係など自治体組織のあり方について、公選首長・議会制に限ることなく、理事会制度、参事会制度、市支配人制度等の多様な自治体組織制度の適用可能性を探ることを通じて、検討するものである。

今日、自治体への分権化が進展するとともに、厳しい財政状況のなかで、各自治体は、より効率的な行財政運営の実施が求められている。また、現在進められている市町村合併は、これからのわが国の地方自治のあり方を方向づけるものとして、大きな焦点となっている。そのようななかで、自治体の組織体制に関しては、現在の憲法、地方自治法の下では、公選首長と議会という体制が全国一律に求められている。しかし、諸外国の自治体の組織体制についてみてみると、国家体制が異なることもあるが、広域自治体レベルまたは基礎的自治体レベルにおいて、多様な仕組みが取り入れられている。

わが国の自治体を取り巻く環境が厳しく、かつ大きく変化するなかで、今後の自治体の行財政運営において、適切な意思決定と効率的な事務執行がますます重要となってくる。その実現を図るうえで、多様な組織体制のなかから、各自治体自らの選択により、人口規模や地域特性に応じた合理的な自治体組織の構築を可能とすることが、重要な検討課題の一つと考えられる。

本調査研究では、このような問題関心を踏まえて、今後、わが国の自治体組織の効率性や専門性の更なる向上の検討に資するよう、執行機関、議事・議決機関のあり方とそれらの相互の関係に関する実態把握を中心に調査研究を行う。特に、アメリカの市会・支配人制度(Council-Manager form)を中心とした外国の自治組織の運営実態の把握と、わが国自治体における議事・議決機関、執行機関の制度変遷や今日の実態把握を行うこととする。

2.調査研究の体制(自治体組織の多様化に関する研究会)

座 長 宇賀 克也 東京大学大学院法学政治学研究科教授
委 員 秋月 謙吾 京都大学大学院法学研究科教授
大杉 覚 東京都立大学法学部助教授
襲田 正徳 全国都道府県議会議長会事務総長
久邇 良子 東京学芸大学教育学部専任講師
渋谷 秀樹 立教大学法学部教授
人見 剛 東京都立大学法学部教授
吉川 浩民 総務省自治行政局行政課理事官
専門委員 松井 望 (財)日本都市センター研究室研究員

(敬称略、委員は50音順、所属・役職等は2003年7月末現在)

 

ページTOP