調査・研究

都市自治体の持続可能な廃棄物(ごみ)政策に関する研究会

1.調査研究の趣旨

 市民が日常生活を営む上でごみを出さない日はほぼないと言ってよい。われわれは普段から何らかのごみを排出しており、2023年度の1人1日当たりのごみ排出量は約851グラムであった。こうしたごみ処理にかかる経費は、ごみの分別やリサイクルの費用の増加、作業員などの人手不足による人件費や委託費の高騰、焼却施設の老朽化に伴う更新費用の発生や燃料費の高騰などによって年々増加している。また、ライター、スプレー缶、リチウムイオン電池など発火性のある危険物が一般ごみに混入することによる火災事故も発生しており、処理施設の再整備を余儀なくなされる自治体も見られるようになっている。
 こうしたことを背景に、国も自治体もごみ処理経費増加への抜本的な対応を進めつつある。環境省によると、ごみ収集手数料が有料の自治体はすでに全国の約66%にあたる1154市町村(2021年度)であり、市区部でも5割を超える自治体でごみ収集の有料化がすでに実施されている。こうした動きは国が2020年に2050年までのカーボンニュートラル達成の方針を打ち出したことで加速している。さらに、環境省はごみ総量の減量とカーボンニュートラル社会の実現という観点から国全体の施策の方針として一般廃棄物処理の有料化の推進を明確化していることもあり、自治体の収集手数料の見直しをはじめとする廃棄物(ごみ)政策のあり方が近年大きく変化してきている。ただし、その財源や負担形態は千差万別であり、近年の物価や税制改正の動向を踏まえた多角的な検討を要する。
 そこで、本調査研究では、都市自治体の持続可能な廃棄物(ごみ)政策を検討する。その際、国内外の動向を踏まえた持続可能な循環型社会や人員確保のあり方、収集手数料など財源のあり方を検討する。

2.調査研究の概要

 7名の学識経験者及び都市自治体職員からなる「都市自治体の持続可能な廃棄物(ごみ)政策に関する研究会」(座長 山谷 修作 東洋大学名誉教授・ごみ減量資料室代表。以下「研究会」という。)を設置し、調査研究を進めることとした。研究会では、以下の検討事項について調査を行うこととしている。

 <主な検討事項(予定)>
① 都市自治体の廃棄物政策の現状と課題
② 廃棄物政策に関する都市自治体の取組み
③ 今後の都市自治体の廃棄物政策のあり方

3.研究成果の公表

 本調査研究の成果をまとめ、2027年3月に報告書を刊行する予定である。

4.研究会委員名簿

座長  山谷 修作 東洋大学名誉教授・ごみ減量資料室代表
委員 浅利 美鈴   総合地球環境学研究所基盤研究部教授
委員 金 紅実   龍谷大学政策学部准教授
委員  清水 雅貴 和光大学経済経営学部教授
委員 千 暻娥 立命館大学OIC総合研究機構プロジェクト研究員
委員 沼田 大輔 福島大学経済経営学類教授
委員 藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授

※敬称略・五十音順(委員のみ)

研究会開催状況

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