調査・研究

都市自治体における地域公共交通のあり方に関する調査研究

都市自治体における地域公共交通のあり方に関する調査研究

1.調査研究の趣旨

近年、自家用自動車の普及、都市の拡散などを背景に、地域公共交通の利用者数が減少している。さらに、2000年の改正鉄道事業法や2002年の乗合バス及びタクシー事業の需給調整規制の廃止により、交通事業者間競争が激化し、採算性から赤字路線の廃止が後を絶たない。このように地域公共交通ネットワークの縮小が余儀なくされる中で、高齢者、障がい者、学生等の地域公共交通に頼らざるを得ない「交通弱者」への早急な対策が求められている。

これまで、自治体では、コミュニティバスやデマンド型交通等を導入することで交通弱者の支援を行ってきた。さらに、富山市や新潟市では、LRT・BRT等の次世代型交通システムの導入により地域公共交通ネットワークづくりに取り組んでいる。しかし、いまだ十分な取組みがなされていない自治体も多く、対策を実施している自治体においても、まちづくり戦略との関連性、総合的な交通ネットワークの構築等が不十分であるとされる。

国においても、2011年より「地域公共交通確保維持改善事業」として、地域公共交通の確保・維持、利便性の向上等のための取組みを実施している。さらに、2013年12月には「交通政策基本法」を制定し、2014年5月には「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」を改正するなど、国及び自治体が一体となった地域特性に応じた総合的な交通政策を推進している。

今後、少子高齢・人口減少社会が到来し、厳しさが増す財政状況の中、どのように自治体が地域の交通を維持していくかが課題である。また、住民や交通事業者の合意形成、交通事業形態のあり方、公共性の考え方など検討すべき点も多い。 そこで、本調査研究では、地域公共交通に関する取組みやその課題について検討を行い、自治体の持続可能な地域公共交通ネットワークづくりに寄与するための知見を得ることとする。

2.調査研究の概要

本調査研究においては、学識者及び都市自治体職員等により構成される「都市自治体における地域公共交通のあり方に関する研究会」を設置し、次の検討事項についての調査研究を現地ヒアリング調査等も含めて順次進めている。

<主な検討事項(予定)>

①地域公共交通の意義・現状(役割、必要性、弱体化の要因等)

②自治体と地域公共交通の関係(政策の必要性、自治体の役割、交通政策基本法のねらいと影響等)

③近年の地域公共交通に対する自治体の取組み(取組みによる成果や課題等)

④今後の地域公共交通のあり方と自治体の役割(今後の交通政策、自治体・住民・交通事業者等の役割、自治体の体制等)

3.研究成果の公表

本調査研究の成果をまとめ、平成27年3月に報告書『人口減少時代における地域公共交通のあり方-都市自治体の未来を見据えて-』を刊行した。

4.テーマに関する先行研究

<参考文献>

参考文献リスト

<過去の調査研究>

人口減少時代における都市経営のあり方に関する調査研究(2006~2007年度)

5.研究会委員名簿

座 長 森本 章倫 早稲田大学理工学術院社会環境工学科教授
委 員 内海 麻利 駒澤大学法学部教授
木村 俊介 一橋大学大学院法学研究科教授
板谷 和也 運輸調査局情報センター主任研究員
南木 孝昭 宇都宮市総合政策部交通政策課長
高野 裕章 富士宮市総務部市民生活課交通対策室長

6.研究会開催状況

開催日 議事次第・配布資料 議事概要
第5回

平成27年1月28日
18:00~20:00

議事次第
論点メモ
スケジュール(案)

議事概要
第4回

平成26年11月26日
18:00~20:00

議事次第
論点メモ
調査項目
現地調査先候補リスト
スケジュール(案)
青森県青森市現地調査報告
富山県富山市現地調査報告
富山県魚津市現地調査報告
熊本県熊本市現地調査報告

議事概要
第3回

平成26年10月7日
18:00~20:00

議事次第
論点メモ
調査項目
現地調査先候補リスト
スケジュール(案)
長野県上田市現地調査報告
石川県金沢市現地調査報告

議事概要
第2回

平成26年7月30日
17:00~19:00

議事次第
論点メモ
調査項目(案)
現地調査先候補リスト
スケジュール(案)

議事概要
第1回

平成26年7月1日
18:00~20:00

議事次第
構成員名簿
論点メモ(案)
現地調査先候補リスト
スケジュール(案)

議事概要

 

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