報告書

次世代モビリティ社会を見据えた 都市・交通政策ー欧州の統合的公共交通システムと都市デザインー

次世代モビリティ社会を見据えた都市・交通政策ー欧州の統合的公共交通システムと都市デザインー

 

A5判 322p

定価1100円(本体価格1,000円+税10%)

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日本では超高齢・人口減少社会を迎えるなか、都市・地域の持続可能性を担保するための政策として、集約型の都市構造( コンパクトシティ) への転換が指向され、国の法制度においては「コンパクト・プラス・ネットワーク」を実現するための手段として「立地適正化計画」や「地域公共交通網形成計画」など様々な計画・制度が創設された。2019 年現在、多くの都市自治体がこれらの計画を策定し、コンパクトシティへの転換、中心市街地の活性化、公共交通機関の維持活性化など、さまざまな課題に取り組んでおり、そうした背景のもと日本都市センターでは2014 年度以降、関連する以下の調査研究事業を実施し、報告書を取りまとめてきた。

 

・ 2014 年度「都市自治体における地域公共交通のあり方に関する調査研究( 座長:森本章倫・早稲田大学教授)」

・ 2016~17 年度「都市自治体のモビリティに関する調査研究( 座長:谷口守・筑波大学教授)」

・ 2016 年度「土地利用行政のあり方に関する研究会( 全国市長会との共同研究)( 座長:志賀直温・東金市長( 当時)、座長代理:中井検裕・東京工業大学教授)」

 

これらの調査研究では、現地調査やアンケート調査を通じて日本国内の都市自治体における地域公共交通政策、土地利用政策等に関する現状の課題・対応や今後の展望などについて調査・分析し、海外の制度や事例についても学識者による論考を寄稿いただくとともに、以下の2 回にわたり、海外現地調査を実施してきた。

 

・ 2015 年3 月:フランス

・ 2018 年3 月:ドイツ

 

本報告書は、主に上記2 回のフランス・ドイツの調査の内容を中心に、欧州における総合的な都市・交通政策について紹介するものである。本報告書のとりまとめにあたっては、上記の調査に参画された学識者( 谷口守・筑波大学教授、板谷和也・流通経済大学教授、土方まりこ・( 一財) 交通経済研究所主任研究員) と、欧州各都市の近年の道路空間再配分・歩行者空間整備に関する事例を調査された山口敬太・京都大学准教授に参画をいただき、ワーキンググループを構成して議論を重ねた。本報告書が、都市自治体の関係者各位の今後の取組みの参考になれば幸いである。

 

第Ⅰ部  これからのモビリティと欧州各国の都市・交通の特性

第1 章 これからの都市モビリティ PDF

(筑波大学 システム情報系社会工学域 教授 谷口 守)

 

第2 章 欧州各国の都市自治体の基本的特性と都市・交通政策との関係 PDF

(公益財団法人日本都市センター 研究員 髙野 裕作)

 

第Ⅱ部 欧州における都市交通を取り巻く社会的背景

第1 章 モビリティの保障に係る法的理論

第1 節 ドイツにおける「生存配慮」概念 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

第2 節 フランスにおける交通権 PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

第2 章 持続可能なモビリティを実現する交通計画と都市計画との連携

第1 節 ドイツにおける都市交通をめぐる計画の意義 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

第2 節 フランスにおける交通計画と都市計画との連携 PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

コラム:ネットワーク計画の広域的整合性を考える PDF

(筑波大学 システム情報系社会工学域 教授 谷口 守)

 

第3 章  福祉政策としての公共交通政策のあり方 貧困層・移民などに対応した公共交通政策 運賃政策を中心に PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

コラム:ボランティアによって運営されているドイツの「市民バス」 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方まりこ)

 

第4 章 環境政策としての自動車削減と公共交通利用促進 PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

コラム:ドイツの交通行政による大気汚染規制への対応 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

第Ⅲ部 欧州の道路再編を中心とした都市デザイン

第1 章 道路空間再編の潮流とその背景 PDF

(京都大学大学院 工学研究科 准教授 山口 敬太)

 

第2 章 道路空間再編による歩行者空間整備の事例 PDF

(京都大学大学院 工学研究科 准教授 山口 敬太)

 

第Ⅳ部 充実した公共交通政策を支える制度

第1 章 公共交通政策を担う主体と主体間の連携

第1 節 運輸連合を介して実現されるドイツの都市交通における主体間の連携 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

第2 節 フランスにおける交通政策関連主体の役割分担 PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

第2 章 公共交通政策に係る財源・制度

第1 節 ドイツの都市交通を支える連邦財源 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

第2 節 フランスにおける交通に関する財源制度都市交通とLRT 整備を中心に PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

第3 章  公共交通政策を策定するためのプロセスと住民参加の仕組み フランスにおける法制度上の位置づけと実例をもとに PDF

(流通経済大学 経済学部 教授 板谷 和也)

 

第Ⅴ部 新しいモビリティと公共交通政策との連携

第1 章 モビリティ・イノベーションの普及によって引き起こされる影響に関する分析 PDF

(筑波大学 システム情報系社会工学域 教授 谷口 守)

 

第2 章 ドイツ鉄道の取組に見る「MaaS」の要諦 PDF

(一般財団法人交通経済研究所 主任研究員 土方 まりこ)

 

資料編 2018 年 ドイツ運輸連合調査報告

第1 章 調査報告の総括・運輸連合に共通する事項について PDF

第2 章 ハンブルク運輸連合 PDF

第3 章 シュレースヴィッヒ= ホルシュタイン近距離運輸連合 PDF

第4 章 ライン・ネッカー運輸連合 PDF

第5 章 シュツットガルト運輸・運賃連合 PDF

(公益財団法人日本都市センター 研究員 髙野 裕作)


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