報告書

東日本大震災からの経済復興と都市自治体財政の課題

東日本大震災からの経済復興と都市自治体財政の課題


A4判 156p
定価1100円(本体価格1000円+税10%)

 

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本報告書は、公益財団法人日本都市センターと全国市長会が共同設置した都市分権政策センターの2013年度事業として実施した「分権型社会を支える地域経済財政システム研究会」による調査研究成果を取りまとめたものである。

東日本大震災の発生から3年が経過した現在も、復旧、復興に向けた懸命な取組みが行われている。まず国では、様々な税財政上の施策や迅速な復興まちづくりに向けての種々の事務手続きの簡素化、復興の現場で求められる人材の確保等の取組みを行っている。また被災自治体では、住民の方々が一日も早く平時の生活に戻れるよう各地の実情に沿って、懸命に復興事業に取り組んでいる。しかしながら、住民から迅速な復旧、復興が望まれているにもかかわらず、停滞が見受けられる事案も発生し、例えば、復興事業に要する用地取得の難航や建設資材の高騰等、数多くの問題が生じている。被災地の一日も早い復興においては、何が課題なのかを見極める必要がある。

そこで、今年度の本研究会テーマは「東日本大震災からの経済復興と都市自治体財政の課題」とし、東日本大震災からの復興に向けた都市自治体の取組みに焦点を当て、被災自治体における財政上の課題や地域経済の復興の現状及び課題について調査研究を行い、そこで得られた知見や示唆を通じて、被災自治体の取組みに一助として頂くとともに、今後の都市自治体の行財政運営に資することを目的に研究会を開催してきたところである。

本報告書は、研究会で都市自治体関係者及び研究者の方々から報告いただいた内容をとりまとめ、三部構成としている。第Ⅰ部では、「震災からの経済復興と都市自治体財政」と題して、釜石市、大船渡市、仙台市、岩沼市、南相馬市からご報告いただいた内容をそれぞれ紹介する。第Ⅱ部では、「復興事業の現状」と題して、岩沼市で行った復興事業の現地視察について報告する。第Ⅲ部では、「震災の総括と今後への災害対策」と題して、東北大学大学院経済学研究科教授の吉田浩氏のご報告の内容を紹介する。

本報告書の内容は、未曾有の災害から復興に邁進する都市自治体の現状である。震災を契機に数多くの問題提起がなされているところであるが、復興の実態を広く知っていただくことで、都市自治体の行財政運営に何らかの示唆となれば幸いである。

 

日本都市センター 分権型社会を支える地域経済財政システム研究会 報告書「概要」

(委員長 専修大学大学院経済学研究科長・教授 原田 博夫 氏)

第Ⅰ部 震災からの経済復興と都市自治体財政

概況

第1章 撓まず屈せず ―釜石市復興まちづくり計画―
(釜石市副市長 若崎 正光 氏)

第2章 大船渡市における復興の現状と課題
(大船渡市副市長 角田 陽介 氏)

第3章 仙台市における復興の現状と課題
(仙台市財政局理事 中垣内 隆久 氏)

第4章 岩沼市の復興事業と課題集落集約とコミュニティ再生のまちづくりは日本の復興モデル
(岩沼市長 井口 経明 氏)

第5章 南相馬市の現況と経済復興に向けた取組み
(南相馬市副市長 江口 哲郎 氏)

第Ⅱ部 復興事業の現状

第6章 岩沼市現地調査報告
(岩沼市長 井口 経明 氏)

第Ⅲ部 震災の総括と今後への災害対策

概況

第7章 東日本大震災、被災地・首都圏および全国比較調査からわかること
(東北大学大学院経済学研究科教授 吉田 浩 氏)

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